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民法改正

民法改正・法定利率が変わります

2019.12.20

今回の解説は、民法改正・法廷利率です。 法定利率について 貸金の利率や支払が遅れた場合の遅延損害金の割合について当事者間の合意がない場合、「法定利率」が適用され、民法が法定利率を定めています。商取引の場合は、商法が、商事法定利率を定めています。   例えば、交通事故によって損害賠償をする場合の遅延損害金は、民事の法定利率によることになります。一方、会社間の取引で、支払いが遅延した場合は、商法が定める法定利率によることになります。 この法定利率、民法上のものは年5%、商法上のものは年6%とされてきましたが、2020年の改正により、どちらも、年3%に引き下げられます。   リセ画像   というのも、年5%、6%というのは、民法が制定された明治の頃では合理的だったのかもしれませんが、昨今の金利は極めて低く、これが長く続いているため、年5%、6%という法定金利は高すぎて不公平という声がありました。   そこで、今回の改正では、両方の法定利率を年3%に引き下げるとともに、将来的の金利水準の変動に備え、市中の金利動向に合わせて法定利率が自動的に変動する仕組みを導入しました。   見直しは3年ごとです。見直しの方法は、各期(3年毎)の6年前から前年までの5年間の各月の短期貸付の平均利率(日銀が毎月公表)の合計を60で割ったものを基準割合とし、各期毎の基準割合と比較して、1%以上の差が開いた場合にのみ、1%刻み(小数点以下は切り捨てです)で加算or減算するというものです。   さて、今回の改正にあたっては、法定利率が変動する仕組みを採用しているので、ある債権の利息や遅延損害金について、どの時点の法定利率になるのか問題となります。   そこで、利息については、利息が生じた最初の時点における法定利率になり、遅延損害金については債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率になり、いったんその利息や遅延損害金に適用される法定利率が定まれば、その後に法定利率に変動があっても、その利息や遅延損害金に適用される利率は変動しません。   なお、この改正の実務への影響ですが、商取引においては、支払い遅延について遅延損害金の利率を定めていることが多く、その場合には、合意の利率が適用されることから、この改正の実務上の影響や契約書改定の必要性はそれほど高くないといえます。   但し、保険については別です。(以下は細かい話ですので、ご興味の無い方は飛ばしていただき、最後のポイントだけ見ていただければと思います) 法定利率の改正により、保険で事故があった際に支払われる損害賠償額が増額されるため、これに応じて保険料も上がると報じられています。これは、具体的には、例えば、製品事故により後遺障害が発生した場合には、将来得られるはずであった収入や介護料などについて、現在価値に引き直して一括で賠償金が支払われるなどしますが、その際に、この一括払いによって先に全ての金額を受け取ることによる利益(その金額の将来の運用益)を差し引いて支払われるためです。   例えば30年分の将来収入について現在一括で受け取った場合、今使う分以外は運用することができるはずということで、法定利率を使った計算により一定金額が差し引かれるのです。このような計算に使われるのがライプニッツ係数などの係数です。法定利率が下がることで、保険会社が賠償しなければならない額が増え、その結果保険料が上がることになっています。   法定利率改正のポイントを簡単にまとめると以下の通りです。   【現行法の規定】 ・5%で固定 ・商取引については6%で固定 ・時代に合致していないとの批判が強かった   【新法の規定】 ・当初の法定利率3%に引き下げ ・商取引についても民法の法定利率と同じ利率に統一 ・3年ごとに見直す変動制 ・見直しの方法は、各期(3年毎)の6年前から前年までの5年間の各月の短期貸付の平均利率の合計を60で割ったものを基準割合とし、各期毎の基準割合と比較して、差の分を加算or減算する ・利率は、その利息を生じた最初の時点における法定利率が適用 ・適用される利率がいったん決定されれば、その後に法定利率が変動しても、適用利率に変更はない   【実務への影響】 ・商取引においては、支払い遅延について遅延損害金の利率を定めていることが多く、その場合には、合意の利率が適用されることから、この改正の実務上の影響や契約書改定の必要性はそれほど高くないといえます。  

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