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【契約トラブルの実態調査】中堅・中小企業の担当者の6割が経験。~ 契約書の見落としがトラブルに直結。汎用生成AIは効率化の一方で「セキュリティや法務面での不安」も ~
2025.09.12
リセは、中堅・中小企業の契約書の確認業務に関わる、法務担当者や経営者・役員など250名を対象に、契約書確認に関する実態調査を実施しました。
調査の結果、6割が「契約書の内容の検討不足や確認ミス、見落としが原因でトラブルを経験した(ヒヤリハットを含む)」と回答し、契約書の確認不足が、取引先との関係悪化や金銭的な負担、さらには紛争にまで発展するなど、契約業務に起因したさまざまなトラブルが実際に発生していることが明らかになりました。
また一方で、ChatGPTをはじめとする汎用生成AI(※1)の活用による業務効率化への期待が高まる一方、その信頼性やセキュリティ、法務面での不安も浮き彫りとなっています。
調査背景
中堅・中小企業では専任の法務担当者が不在の場合も多く、契約書の確認を営業や管理部門などの所管部署や経営者自身が担うケースがあります。 本来は、弁護士などの外部専門家に依頼するのが望ましいものの、費用面や時間の制約などから依頼が行われず、結果として自社内で契約書の確認を完結させてしまうことも少なくありません。 こうした状況では、専門知識が不足しているため、条項の見落としや不利な条件を受け入れてしまう恐れがあり、実際のトラブル要因となっています。 また、近年はChatGPTなどの汎用生成AIの急速な発展により、契約書確認の効率化が期待される一方、その信頼性やセキュリティ、法務リスクへの懸念も挙がっています。 本調査では、中堅・中小企業における契約書確認の実態と顕在化しているトラブル、そして汎用生成AI活用の現状を明らかにしました。 ■主な調査結果6割が、契約書の内容の確認不足や見落としが原因で、ヒヤリとした経験や実際のトラブルを経験
「トラブルを経験した」と答えた担当者からは、次のようなケースが挙げられました。(※2)
・ 取引先との関係が悪化・謝罪対応が発生した(21%)
・ 支払い条件や納期に関するトラブルが発生した(19%)
・ 契約内容の認識違いが相手方との間で発生した(19%)
・ 想定していなかった損害負担や違約金が発生した(17%)
・ 契約が原因で紛争や訴訟に発展した(11%)
このように、契約書の確認不足は取引先との関係の悪化や金銭的な負担、最終的には紛争にまで発展したケースも見られ、重大な課題となっています。
(※2)契約書の内容の確認不足や見落としなどが原因で、実際のトラブルを経験したと答えた(n=151、複数回答)
トラブル原因のトップは「契約条項の見落としや抜け漏れ 」
トラブルの主な原因としては、「契約条項の見落としや抜け漏れ」(30%)が最も多く、次いで「契約書の内容の理解不足」(28%)、「社内フローの遅延や共有ミスによるチェック漏れ」(22%)が上位に挙げられました。
また、「汎用生成AIなどの誤った指摘やアドバイスを鵜呑みにした」(16%)というケースも見られました。
法務体制が十分でない中堅・中小企業では、契約書の内容を十分に確認しないまま締結してしまうことがあり、これがトラブルの原因となることが課題として浮き彫りになっています。
契約書の確認に、ChatGPTなどの汎用生成AIを利用したことがあると答えたのは32%。 効率化の一方で、不安の声も
ChatGPTなどの汎用生成AIを契約書の確認で利用したことがあると答えた方からは、「確認の時間が短縮された」というポジティブな声もある一方で、「セキュリティ面に不安を感じた」「法務知識が必要な部分には、十分に対応できていないと感じた」といった懸念も挙がっています。
契約書レビューなど特化型AIツールへの期待(※1)
弁護士が監修し、法務業務に特化したAI契約書レビューサービス「LeCHECK(リチェック)」をはじめとする特化型AIは、法務業務における課題解決に直結するツールとして注目されています。 利用経験者からは、次のような前向きな声が上がりました。 ・ 担当者の確認の負担を軽減できる ・ 条文の見落としや抜け漏れを防止に役立つ ・ 時間が短縮でき、業務効率化につながる ・ コンプライアンスやリスク管理の強化につながる こうした結果を踏まえ、本調査では中堅・中小企業における契約書確認の課題と特化型AI活用の可能性が浮き彫りになりました。(※1)本プレスリリース内における単語の説明 ・汎用生成AI: ChatGPTやGoogle Geminiなど、幅広い分野で活用できるAI ・特化型AI:リーガルテックのように、契約書レビューなど特定領域に特化したAI