CASE
導入事例
契約書レビュー業務をAIツールの活用で効率化しクリエイティブな仕事に専念
2021.12.23
インタビューをさせていただいた方
ベンチャーラボ法律事務所
第一東京弁護士会所属 弁護士 淵邊 善彦 様
少人数事務所で契約書チェックでお悩みの先生方必見
AI技術の進歩により登場してきた契約書レビュー支援ツールが、今までの契約書レビューのやり方を変えつつあります。今回は、AI契約書レビュークラウド「リチェック」を開発した株式会社リセ 代表取締役社長/弁護士 藤田が、ベンチャーラボ法律事務所 代表弁護士 淵邊善彦氏に話をお伺いしました。
レビュー業務はAIツールの活用で効率化
企業間紛争を専門とする弁護士が開発したAIツール
藤田:私はもともと企業間紛争を専門とする弁護士だったのですが、「契約書の文言がこうだったらよかったのに」という事案が多く、なんとかしたいと思っていたんです。ある日、海外のリーガルテック企業から米国ではリーガルテックが非常に進んでいる話を聞いて、「ぜひ自分でもやってみたい!」と思って起業しました。
淵邊弁護士:創業間もない藤田さんからご連絡をいただき、僕は同じ西村あさひ法律事務所の出身ということもあってお話を聴いてみようと思いました。
藤田:当社のサービスにご興味を持っていただけたということは、契約書のリーガルチェックについて、淵邊先生の事務所では何か課題があったのでしょうか。
レビューを効率化して付加価値の高い作業に集中したい
淵邊弁護士:当事務所は主にベンチャーやスタートアップのサポートをしているのですが、似た内容の契約書や規約作成・レビューの依頼が非常に多いんですね。
なので、もっと効率的に処理したいという気持ちがずっとありました。契約書のレビューには、ビジネスモデルを考えたり条件面などを整えたりとクリエイティブな作業も必要です。レビューをもっと効率化できれば、弁護士が付加価値をつけられる後者の部分に集中できる。そう思って導入を決めました。
抜け漏れや材料を探す作業はむしろ機械の方が速い
淵邊弁護士:契約書のレビューはすごく奥が深い世界で、例えば売買契約であれば売手・買手の会社・商品などの情報や支払条件などさまざまな背景事情をインプットした上で見ていかなければなりません。
それをシステムで代替するのは難しいですよね。けれどシステムがやった方が速く正確にできることもあります。結局は、AIレビューが使えるかではなく、どう使いこなしていくかっていう発想を大切にしています。今までの契約書のレビューのやり方は、AIレビューによって変わっていくのだと思います。
NDAなどの典型的な契約なら約40%の業務時間を削減
藤田:LeCHECKを導入してから、淵邊先生の事務所ではどの程度契約書レビュー業務を省力化できていますか?
淵邊弁護士:例えばNDAなどの典型的な契約や小規模の売買契約であれば、およそ30~40%業務時間が削減できています。逆に合弁契約やライセンス契約などの複雑な契約になるとAIでチェックできる部分にも限界があるのですが、それでも10%くらいの省力化にはなりますね。
藤田:レビューをするときって、レビューにかかる時間よりも過去の契約書や参考事例など、レビューのための判断材料を探すのに時間がかかりますよね。抜け漏れを防ぐために参考になる契約書を2~3個探してきて、じっくり突き合わせたりもしますし。そういう部分は、むしろ機械の方が得意な部分でもあります。
英語が苦手な地方の弁護士にとって有効なツール
藤田:少し前まで、企業間取引の契約書にはあいまいさを残す規定が多かったと思うのですが、今は「事前に規定しておこう」という傾向が見られます。
業務委託契約などで弱い立場になりがちな受託側の中小企業でも、入れたい契約条項を入れ込むことで紛争は減らせると思いますので、そういう傾向が今後も進むといいですね。
淵邊弁護士:日本の契約文化はだいぶ変わってきましたよね。でも、きちんと契約書の中身を精査して締結している中小企業はまだまだ少ない。私がその点で危機意識を持っているのが、地方企業の海外取引です。地方は海外進出について法的なアドバイスのできる弁護士も少ないので、内容を精査せずに契約してしまうケースが多い印象があります。
藤田:確かにそうですね。弊社のサービスをご利用いただいている地方の企業様も、「英文の契約書を見てくれる先生がなかなかいなくて、探すのが大変」とおっしゃっていました。
淵邊弁護士:東京には渉外案件に明るい先生はいるけれど敷居が高い、という問題もあるので、そこを何とかしなきゃいけない。地方の先生方は英語が苦手な方も少なくないと思うのですが、それでもアドバイスできることはたくさんあるはずです。リチェックは、そのための有効なツールになるんじゃないかなと思います。
藤田:私は弁護士時代に海外企業との紛争に泣く中小企業をたくさん見てきたので、「日本企業をいかに守るか」という観点からの英文契約書のレビューには特に力を入れています。ぜひ地方の先生方にも利用していただきたいですね。
テックを使い弁護士としての競争力を上げる
淵邊弁護士: AIレビューのツールが弁護士業務にどの程度使えるかは、実際に使ってみなければわからないと思います。
まずは一度使ってみてはいかがでしょうか。将来的に、弁護士がクリエイティブな仕事に専念するのをサポートしてくれるようなシステムに進化していくと思うので、大いに期待しています。
藤田:ありがとうございます。当社のAIレビューシステムは人を代替するのではなく、マンパワーを強化するためのツールになるものと考えています。まだ改善すべきところもありますが、弁護士の先生方にはこのようなテックを使いこなして定型業務を省力化し、弁護士の能力を発揮すべきところに注力していただきたいですね。それが弁護士としての競争力につながると思います。
事業紹介
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会社名
ベンチャーラボ法律事務所
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代表者名
第一東京弁護士会所属 弁護士 淵邊 善彦
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所在地
港区南青山2-22-17センテニアル青山5階
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