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契約業務効率化

契約書はなぜ必要?

2019.11.22

今回のテーマは、「契約書はなぜ必要なのか?」です。

まず、契約書という紙がないと契約として成り立たないのか、という点については、そうではなく、口頭であれ、E-mailの取り交わしであれ、例えば、売主がこのリンゴを売ります、といい、買主がこのリンゴを買います、といえば、両者の売買の意思が合致していることとなるため、合意が成立し、これで、売買の契約自体は有効に成立していることとなります。

つまり、売買などの取引が成立するためには、両者の意思が合致していればよく、必ずしも「契約書」は必要ないのです。

但し、「契約書」は絶対に作っておいた方が良いです。なぜでしょうか。

会社を守る防具だから

一番の理由として、会社を守る防具となるからです。

何ら問題が生じなかった場合には、契約書は特に見返されることなく終わります。多くの取引においてはそうなるでしょう。ただ、どんなに取引先担当者とコミュニケーションを密にしていても、どれほど丁寧に説明していても、一定確率でトラブルは起こります。その場合、口頭での約束の場合、言った言わないの争いになることは本当に多くあります。E-mailでの約束になっていた場合でも、このE-mailの後で別途口頭で説明があったんだ等といわれ、トラブルになることもあります。取引の条件を、契約書の形で、詳細に定めておくことは、トラブル防止のための非常に有効な手段です。

また、契約書を作成する際に、万が一、不具合があった場合等の対応について定めておけば、ベンダー側の場合など、損害額を限定することもできますし、その場合、莫大な損害賠償を防ぐことができたりします。

多くの取引は何らトラブルなく終わるため、契約書は必要ないように思う場面も多いかと思いますが、どんなに気を付けていてもトラブルは起こります。このトラブルをできるだけ未然に防ぎ、かつ、トラブルが起こった場合の損害を限定し、会社を守るというのが、契約書の一番の目的なのです。20万円で受注した業務にトラブルがあり300万円請求されるというような事例もままあります。しっかりと契約書を取り交わし、こういった会社の危機を未然に防止しましょう。

税務、会計上の必要性もあるから

次に、契約書の他の役割として、「税務」というのも挙げられます。特に金額の大きなものについて、税務署から確認されたような場合に、契約書もないというのは極めて不利になります。タイムリーに契約書を作成し、後に説明できるようにしておくというのも重要な目的になります。

社内での共有、整理のため

最後に、契約書の締結は、「自社社内での共有や整理」という役割もあります。契約書という形に取引条件をまとめ、これについて社内で決裁を取ることにより、社内で、この取引について共有、整理することができるのです。

以上のような観点から、特に会社をトラブルから守るため、契約書は絶対に必要です。そして、このような契約書の目的からして、1枚ものの簡易な契約ではなく、取引の内容について詳細に規定し、トラブルが起こった場合についての対応を定めたものを締結することが必要です。

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