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法務業務の人手不足を解消するには? AI活用を含む実践的解決策
2025.03.18
はじめに
近年、多くの企業で法務部門の役割が拡大し、契約書チェックやコンプライアンス対応など、多岐にわたる業務を少人数で担当するケースが増えています。
しかし、高度な専門性が求められる法務業務においては、即戦力となる人材の採用が難しく、人手不足が慢性化しているのが現状です。さらに、業務の属人化や情報共有の難しさなど、法務部特有の課題も絡み合い、状況をより複雑にしています。
本記事では、法務部の人手不足の実態を深く掘り下げ、その解決策としての最新ソリューションをご紹介します。
1. 法務部の人手不足の実態
企業の成長や外部環境の変化に伴い、法務部の業務はますます重要性を増しています。
しかし、それに比例する形で業務量も増加し、多くの企業が人手不足に悩まされています。
本章では、具体的な課題を整理し、法務部門の現状を明らかにします。
1-1. 法務部の業務量の増加と複雑化
近年、企業のグローバル化や法規制の強化に伴い、法務部門に求められる業務は増え続けています。以下のような業務が日々発生し、限られた人員で対応せざるを得ません。
- 契約書のレビュー・作成
企業活動の根幹を担う契約業務は、契約書の作成から内容のチェック、社内外の交渉まで幅広く対応が求められる
海外企業との契約では、英文契約書のレビューや各国の法規制対応も必要に - コンプライアンス対応と内部統制
政府や金融機関による規制強化により、コンプライアンス管理が厳格化
特にデータプライバシー関連の法改正(GDPRや個人情報保護法など)に迅速に対応する必要がある - M&Aや企業提携に関する法務サポート
企業の成長戦略において、M&Aや提携案件が増加しており、それに伴いデューデリジェンスの負担が増大 - 知的財産権の管理
商標や特許の管理、競合他社との知財紛争への対応など、企業の競争力を守るための法務業務も重要
これらを少人数の法務部で対応しなければならず、担当者の業務負担は非常に大きくなっています。
1-2. 法務人材の確保が困難
法務部門の業務には専門的なスキルが求められるため、即戦力となる人材の確保が難しい状況が続いています。
- 法律知識と実務経験を兼ね備えた人材が少ない
企業法務の実務経験を持つ人材は限られており、特に中小企業では採用が難しい - 採用コストが高い
経験豊富な法務人材は市場価値が高く、採用コストが高額になりやすい - 育成にも時間がかかる
法務の実務を理解し、自社のビジネスモデルやリスク管理の方針を踏まえた判断ができるようになるには時間がかかる
1-3. 業務の属人化と情報共有の課題
法務部門の業務には専門的なスキルが求められるため、いかに属人化を解消するかが課題になります。
- 特定の担当者に業務が集中しやすい
契約書の作成やチェックは経験者に依存しがちで、ノウハウが属人化する - 情報共有の仕組みが不十分
法務部内でのナレッジ共有が難しく、過去の事例や社内ルールの検索に時間がかかる
1-4. まとめ
- 法務部の業務は多岐にわたり、人手不足が深刻
契約書のレビュー・作成、コンプライアンス対応、M&Aサポート、知財管理など、業務範囲が広い
限られた人員で対応するため、一人あたりの業務負担が大きい
特に契約書レビューは時間がかかる業務の一つであり、負担の集中が課題に - 契約書レビュー業務の負担を軽減するために
文書チェックの効率化に向けた様々な手法が検討されている
近年では、AIを活用した契約書レビュー支援ツールの導入が進んでいる
こうしたツールを活用することで、初期チェックの時間を短縮し、法務部がより重要な業務に集中できる可能性がある
2. 人手不足の解決策
人手不足の課題に対応するためには、単に人員を増やすだけではなく、業務の効率化や仕組みの改善が求められます。
本章では、具体的な解決策をいくつか紹介し、企業に適したアプローチについて考えます。