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リーガルチェック

【弁護士監修・25年最新】契約書のリーガルチェックとは?社内対応・AI活用まで徹底解説

2025.05.19

監修弁護士

末岡 雄介(すえおか・ゆうすけ)

2008年弁護士登録。企業の代理人として、クレームや紛争案件(訴訟を含む。)に多数関与。 その経験を活かし、顧問先企業等に対し、「紛争を予防する」「紛争を長期化させない」という観点からの契約書作成を助言している。

この記事のまとめ

本記事では、契約書のリーガルチェックの基本から実務上の進め方、よくある課題とその解決策までを解説しています。
特に、法務未経験者や一人法務の方が直面しやすい悩みを整理し、 AI契約書レビューツール「リチェックを活用した効率化の方法も紹介しています。

「専門知識が足りない」「時間が足りない」「確認ミスが怖い」といった課題に悩んでいる方にとって、 AIによるレビューは有力な選択肢です。

契約書のリーガルチェックは自社をリスクから守る重要な業務です。一方で、リーガルチェックがどう重要なのかわからず戸惑っている担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、リーガルチェックの重要性とリーガルチェックを怠った場合のリスク、リーガルチェックをする際のポイントなどを解説します。また、法務未経験の方や一人法務の方のお悩みに役立つサービスもご紹介します。

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リーガルチェックとは?リーガルチェックの目的は?

意外かもしれませんが、法律等で書面の作成が義務付けられている場合(雇用契約、連帯保証契約など)を除き、契約は口頭の合意だけで成立します。
身近な例を挙げると、皆さんがコンビニでパンを買うときは売買契約、駅の改札機にタッチして電車に乗るときは旅客運送契約が成立しています。

では、ビジネスの場で契約書を作成するのはなぜでしょうか。

それは、契約書には3つの大きなメリットがあるからです。

すなわち、
①文章として記録することによって、当事者間の合意内容を明確にし、双方の認識のズレや担当者の交代などによるトラブルを予防する、
②トラブルが起きた場合の解決方法を予め決めておくことによって、スムーズな解決が期待できるとともに、予想外の責任を負わされることを防ぐ、
③訴訟になってしまった場合、非常に重要な証拠になることです。

契約書のリーガルチェックは、自社が適切に上記のメリットを受けられる内容になっているか、問題点やリスクはないか、どの程度のリスクかを法的な観点で検討、修正し、契約書によって自社を守るという重要な業務といえます。

契約書のリーガルチェックのポイント

では、リーガルチェックにおける「法的な観点で」とは、具体的にはどのようなことでしょうか。ここでは、リーガルチェックで注意すべきポイントとリーガルチェックを怠った場合のリスクを解説します。

契約書のリーガルチェックのポイント4つ

契約書のリーガルチェックでは、どのような契約内容であっても、以下の4つのポイントは常に注意すべきです。

【法令違反を回避する】

契約書に法令違反の条項があると、その条項または契約全体が無効になるおそれがあります。また、契約書を締結し直すまで相手方との取引がストップした場合、原材料の仕入れができず、製品の納入が遅れるなど、大きな混乱を来すおそれもあります。
そこで、リーガルチェックで法令違反の条項がないか確認します。
特に、業種によっては、業法(建設業法、貸金業法など)による規制や、地方自治体の条例によって法律よりも厳しい規制がされていることがありますので、注意が必要です。

【自社に不利な条件を改善する】

契約締結後、その取引は契約書に記載された手順・ルールに従って処理されることになります。契約締結後は、原則として、自社に著しく不利な条項であっても従うしかありません。そこで、自社に不利な条項をリーガルチェックで洗い出し、許容可能な内容に修正できるよう、相手方と交渉する必要があります。

【曖昧な部分を明確化し取引をスムーズにする】

契約書の内容に曖昧な部分があると、後から改めて話し合う必要が生じ取引がスムーズに進みません。また、折り合いがつかない場合には、紛争にも発展しかねません。
そこで、リーガルチェックで曖昧な箇所を洗い出し、明確化しておくことで、そのような事態を防ぐことができます。

【トラブルに発展した際のリスクを軽減する】

取引においてトラブルが起きないに越したことはありません。しかし、トラブルが発生した場合のルールを決めておかないと、トラブルが起きてから解決方法を交渉することになりますが、お互いの利害が対立する状況で解決方法を合意できるとは限りません。
そこで、リーガルチェックで、トラブルの解決方法を定めた条項があるか、その内容でスムーズにトラブルを処理できるか、自社にとって不当に不利な内容になっていないかを検討しておくことで、いざというときのリスクを軽減できます。

リーガルチェックを怠るとどうなる?契約書のチェック漏れによるリスク

契約書のリーガルチェックを怠ると、次のようなリスクが生じる可能性があります。

【取引先からの信頼を失う】

法令違反の条項のある契約書を見逃して取引を進めて、それが発覚した場合に取引が中止になるなどの混乱が生じ、貴重なビジネスチャンスをふいにするだけでなく、取引先からの信頼を失うことになります。
また、取引が中止になったことなどを理由として、取引先から訴訟の提起や損害賠償請求を受けるリスクもあります。

また、契約書に抜け漏れがあり取引が円滑に進まない、トラブルにスムーズに対処できないなどといった事態も、取引先からの信頼を低下させる原因になり得ます。

【行政からペナルティを受ける】

法令違反の条項のある契約書を見逃したまま業務を続けた場合、罰金、過料などの行政罰や、営業許可の取消し、社名公表などの行政処分を受ける可能性があります。
処分内容によっては、事業の継続を断念することにもなりかねません。
また、社名を公表されたり、ペナルティを受けた事実が報道された場合、会社の社会的信用の低下は避けられません。

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契約書のリーガルチェックの正しい進め方

では、リーガルチェックはどのように行えばいいのでしょうか。ここでは社内でリーガルチェックを行う場合の流れを解説します。

契約書の受付・内容把握

まずは契約書に関わる取引を所管する部署から、契約書のリーガルチェックを受け付けます。その際、所管部署の担当者から、取引の内容・目的・背景をヒアリングしておきましょう。

リーガルチェック

契約書を精読し、内容を次の視点からチェックします。

・法令に違反する条項はないか
・法律上必須の条項が抜けていないか
・自社にとって明らかに不利な条項がないか
・過去にした類似の契約や自社ひな型と比較し異なる点はないか
・取引の主要な条件が一通り明確になっているか
・その他、自社のリスクになり得る条項が含まれていないか

チェックの結果問題のある条項が見つかった場合は、その問題をクリアするような条項の修正案を作成します。

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交渉(社内・社外)

【社内での相談】

リーガルチェックの結果と条項の修正案について、所管部署の担当者にフィードバックします。
その際は、修正が必要な理由をわかりやすい言葉で担当者に説明し理解してもらうことが重要です。
その上で、担当者の現場目線からの意見も参考にして、取引先に修正依頼をするのか、原案を受け入れるのか、それぞれのリスクも踏まえたうえでアドバイスします。

【社外との交渉】

修正依頼をする方針が社内で固まったら、所管部署の担当者から取引先へ、契約書の修正依頼をしてもらいます。
担当者が交渉を成功させるために、リーガルチェックのフィードバックには、担当者が取引先との交渉する際に使いやすいコメントを付しておくとよいでしょう。

締結

相手方との交渉を経て契約の内容が確定したら、契約書の最終版を作成します。最終版を作成する際は、相手方との交渉の経緯を振り返って次の点を確認しましょう。

・合意した修正内容が全て反映されているか
・合意した修正内容以外に、変更されている点はないか

最終版に当事者双方が記名押印、署名押印、サインまたは電子署名することで契約書は締結されます。

契約書の種類別リーガルチェックのポイント|NDA・売買契約

ここまで、リーガルチェックの重要性や、行わなかった場合のリスクについて解説してきました。では実際に、契約書のリーガルチェックはどのように進めればよいのでしょうか。 ここからは、実務で頻繁に取り扱われるNDA(秘密保持契約)と売買契約について、リーガルチェックをする際の基本的なチェックポイントを整理しています。実際のチェック業務に役立てるための参考情報としてご活用ください。

NDA(秘密保持契約)のチェックポイント

ひな形を流用したり、相手方から提示された内容をそのまま使ったりすることの多いNDA。 しかし、情報の出し手と受け手では注視すべきリスクが異なり、見落としがトラブルに直結するケースもあります。 ここからは、それぞれの立場で注意すべきポイントを整理したチェックポイントをご紹介します。

出し手(情報提供側)のチェックポイント

  • 秘密情報の定義
    曖昧な定義ではなく、契約の存在自体や口頭情報もカバーされているか
  • 情報の範囲
    提供情報の範囲が限定的すぎず、自社にとって重要な情報が漏れていないか
  • 例外の立証責任
    秘密保持義務の例外(既知情報等)について、相手側の立証責任としているか
  • 開示先の範囲
    関係会社や業務委託先への再開示も認められるか(適切な制限付きで)
  • 知的財産権の取り扱い
    相手が秘密情報を使って開発等を行うことを制限しているか(開発許容に留意)
  • 損害賠償
    損害の範囲、損害賠償責任の上限が明確になっているか
  • 期間・存続条項
    契約終了後も一定期間、秘密保持義務が継続する旨の条項があるか

受け手(情報受領側)のチェックポイント

  • 秘密情報の定義
    情報が限定的に定義されているか(秘密である旨の明示が条件になっているか)
  • 契約の存在自体
    契約の存在自体が秘密情報に含まれるかどうかの確認
  • 情報の正確性
    提供情報の正確性について、保証責任を負わない旨の記載があるか
  • 再開示範囲
    業務上必要な範囲で関係者(弁護士、委託先等)への開示が可能か
  • 競業禁止
    情報を利用した競業禁止義務が含まれていないか(ある場合は範囲・期間の妥当性)
  • 損害賠償
    過大な賠償責任を負わないよう、損害の範囲や上限が適切に設定されているか
  • 期間・存続条項
    契約期間、更新の有無、終了後の義務の存続について過剰ではないか

売買契約書のチェックポイント

売買契約は、取引の基本を定める重要な契約ですが、立場によってリスクの見え方は大きく変わります。 売主・買主それぞれにとって、押さえるべきポイントを見落とすと、損害やトラブルの火種になることもあります。 以下のチェックポイントを、契約レビュー時の確認ポイントの整理にお役立てください。

出し手(情報提供側)のチェックポイント

  • 他社への販売禁止
    特に競合他社への再販売制限を設定できているか
  • 検収不合格の取り扱い
    不合格時の再納入義務や費用負担の所在が記載できているか
  • 契約目的不適合責任
    目的への適合に関する責任が明確か
  • 所有権・危険負担
    所有権移転のタイミング、リスク移転の規定
  • 立入検査
    検査条件・制限・事前通知の有無
  • 知的財産権の不侵害表明
    保証範囲・免責条項が適切か
  • 品質保証
    保証期間、範囲が明記されているか
  • 損害賠償
    損害の範囲、上限規定の明確化
  • 違約金
    違約金条項が過剰でないか

受け手(情報受領側)のチェックポイント

  • 検収不合格の取り扱い
    不合格時の返却条件・費用負担が明確か
  • 契約目的不適合責任
    目的に合致しない場合の責任範囲と期間
  • 所有権・危険負担
    移転のタイミングに不利がないか
  • 知的財産権の不侵害表明
    保証が十分か、侵害時の補償責任があるか
  • 品質保証
    明確な基準や保証期間があるか
  • 損害賠償・上限規定
    上限があるか、想定外のリスクを負わないか
  • 違約金
    高額・一方的な設定がないか
  • 第三者損害
    サードパーティに起因する損害責任が適切か
  • 不可抗力・コロナ対応
    パンデミック等の例外事由が含まれているか

より詳しい解説や実際のトラブル事例は以下の資料をご覧ください。

NDA(秘密保持契約)の弁護士監修チェックポイント付き解説ガイドを確認する

売買契約の弁護士監修チェックポイント付き解説ガイドを確認する

契約書のリーガルチェックが難しい理由と実務上の課題

前述の通り、リーガルチェックは自社の利益を守るため非常に重要な業務です。ですが、それを完璧に行うのは簡単ではありません。法務未経験の新任法務担当や一人法務の方は、このような課題を抱えることがあります。

新任法務担当(法務未経験者)の苦労

新任法務担当者の方は次のような課題を抱えることが多いです。

【何もかも手探りで時間的・精神的負担が大きい】

新任法務担当者のお悩みで多いのは、そもそも契約書の見方がわからないというものです。また、自社にリーガルチェックのノウハウがなく、書籍などで知識を調べながら手探りで行うため時間と手間がかかりすぎ大変だという声もあります。その他、法的知識を学習する必要があるがそのための時間的・精神的余裕がないという悩みもあります。

【リーガルチェックの結果に自信が持てない】

新任法務担当者の方の中には、法的知識がないため、リーガルチェックを行った後もリスクを本当に防げているのか、見落としがないかなど不安が残るという方が多くいらっしゃいます。また、依頼部署に対して、修正依頼などの提案を、自信を持ってできないというお悩みもあります。

「法改正に追いつけない」「専門知識が足りない」といった法務部門の壁を超える方法ガイドを確認する

一人法務の苦労

一人法務の方は次のような課題を抱えることが多いです。

【リーガルチェックを効率化したい】

一人法務の方は抱えている業務の量も契約書の件数も多いため、リーガルチェックを効率化したいという課題が特に目立ちます。効率化の目的は、残業時間を短縮したい、契約をよりスピーディーに締結したい、浮いた時間でより丁寧なフィードバックをしたい、社内での打ち合わせにもっと時間をかけたいなど様々です。

法務部門の業務負担を軽減するための効率化と時間短縮を両立させる実践アプローチガイドを確認する

【リーガルチェックに自分以外の視点を取り入れたい】

一人法務の方の場合、自分の一存だけでリーガルチェックが完結することに不安がある、ダブルチェックをしたいという課題も多く聞かれます。その理由としては、自分の見落としに自分で気付くことの難しさ、バイアスや知識のばらつき、その日の忙しさやコンディションでチェックの精度がぶれてしまうことへの懸念などがあるためです。

法務部の属人化脱却方法・ AIツールで実現する​安定した体制構築の実践アプローチガイドを確認する


では、このような時間的・心理的な負担をどうすれば軽減できるのでしょうか? 以降では、AIを活用することで双方の負担をどのように減らせるのかを具体的に見ていきます。

契約書のリーガルチェックをAIで効率化|課題解決の最新手法

上述したように、契約書のリーガルチェックは非常に重要でありながら一方では難しさも抱えています。そのジレンマを解消する手段の一つとして、AI契約書レビューツールの導入が考えられます。

リーガルチェックを簡単に効率よく

AI契約書レビューツールは、AIを使って契約書のリーガルチェックをするツールです。契約書を読み込ませると、AIが瞬時に次のようなフィードバックを行います。

・リスクのある箇所の指摘
・条文の修正例や欠落条項の提案
・リスクや修正理由についての解説

これらをAIで自動化することによって、契約書のリーガルチェックの大幅な効率化が期待できます。また、誰でも簡単にリーガルチェックが行えるようになります。

AI契約書レビューツール リチェックのできること

株式会社リセでは、AI契約書レビューツール「リチェック」を提供し、多数の企業様にご導入いただいています。リチェックはリーガルチェックの課題や難しさを次のようにサポートします。

【高精度のレビューを安定して実現】

リチェックのAIは、各分野専門の弁護士が監修しているため、高精度で信頼性の高いリーガルチェックが可能です。新任法務担当者を強力にサポートするのはもちろん、法務部のリーガルチェック水準の向上・均質化にも役立ちます。また、一人法務の方のダブルチェックとしても有用です。

【契約書のリスクをわかりやすい言葉で解説】

リチェックは、法律の知識がない人にもわかりやすい言葉でリスクや修正理由などを解説しています。他部門への説明にも使える他、新任法務担当者の方の学習にも役立ちます。

【常に最新の情報に基づいた契約書レビューが可能】

リチェックには常に最新の情報が反映されているため、法改正や判例変更などの見落としの心配がありません。情報のアップデートまで手が回らない方にも安心です。

AI契約書レビューツール リチェックの導入効果


契約書レビューの効率化とリスク管理の強化は、企業の競争力向上に大きく寄与します。AI契約書レビューツール「リチェック」の導入により、例えば「リーガルチェックに時間がかかり、ビジネスチャンスを逃すことも少なくなかったが、導入後は商談から契約締結までがスピーディーに進められるようになり、成約率が向上した」といった効果が実現しています。
他にも、リチェックを導入した企業の課題やその解決プロセス、実際の効果については、ぜひ導入事例を通じてご覧ください。

AI契約書レビューツール リチェックの導入事例を確認する

リチェック製品イメージ

契約書のリーガルチェックの課題と解決策まとめ

本記事では、リーガルチェックの重要性について解説してきました。リーガルチェックは難しい、リーガルチェックにかける時間がないとお悩みの方は、AI契約書レビューツールの導入をぜひ一度ご検討ください。

AIツールが気になる方は、「リチェック」の資料請求や無料トライアルをご検討ください。無料トライアルでは、お手元の契約書を、実際にチェックすることが可能です。

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株式会社リセは、西村あさひ法律事務所出身の代表が設立し「争いのない『滑らかな』企業活動の実現」をミッションに掲げています。
専門弁護士の知見と最先端技術を組み合わせ、企業法務や弁護士の業務効率化を支援し質の向上が可能な、 AI契約書レビューサービス「LeCHECK」、翻訳機能サービス「LeTRANSLATE」、契約書のAI自動管理サービス「LeFILING」 を提供しています。

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