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出生時育児休業(産後パパ育休)・育児休業の分割取得について

2024.03.07

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CHECK POINT

2022年10月施行予定の労働関連法改正について、就業規則等の社内規程の整備が必要になりますので、​​​​こちらの詳細と条文例をご紹介いたします。

2022年10月1日施行の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」といいます。)の改正により、出生時育児休業(産後パパ育休)と育児休業の分割取得が導入されます。

これに伴い、施行日までに就業規則等の社内規程の整備が必要になります。

育児・介護休業法による育児・介護休業(出生時育児休業も含む。)などは、労働基準法(以下「労基法」といいます。)により、就業規則に定める必要があります(労基法第89条第1項)ので、出生時育児休業及び育児休業の分割取得に関する記載を就業規則に追加する必要があります。

また、常時10人以上の労働者を使用している事業所において就業規則を作成、​​​​​​又は変更した場合は、所轄の労働基準監督署長に届け出ることとされていますので、出生時育児休業及び育児休業の分割取得について、就業規則に記載した場合には、就業規則を所轄の労働基準監督署長に届け出ることが必要です。

なお、育児・介護休業等に関する詳細について、すべて就業規則に規定せず、別規程としている会社も多いと思います。別規程とした場合は、当該規程は就業規則と一体となりますので、就業規則と同様に、所轄労働基準監督署長への提出が必要となります。

2022年10月1日施行の改正に対応する当社の条文例

第○条育児休業
1.育児のために休業することを希望する社員であって、1歳に満たない子と同居し、養育する者は、原則として、子が1歳に達するまでの間で社員が申し出た期間、育児休業をすることができる。
2.前項の規定にかかわらず、会社は、労使協定で定める場合には、以下の社員からの申出を拒むことができる。
(1) 入社1年未満の社員
(2) 申出の日から8週間以内に雇用関係が終了することが明らかな社員
(3) 1週間の所定労働日数が2日以下の社員
3.社員及び配偶者ともに育児休業しようとする場合で、次の要件を全て満たす場合には、原則として、子が1歳2ヶ月に達するまでの間で、 出生日以降の産前及び産後休業期間、育児休業期間並びに出生時育児休業期間を合計して1年間、育児休業をすることができる。
(1) 配偶者が、子の1歳に達する日以前に育児休業をしている場合であること
(2) 社員の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
(3) 社員の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業(出生時育児休業を含む。)の初日以降であること
4.次の要件を満たす社員は、1歳から1歳6ヶ月に達するまでの間、必要な日数について、育児休業をすることができる。ただし、産前産後休業、出生時育児休業、介護休業または新たな育児休業が始まったことにより本条第1項に基づく育児休業が終了し、終了事由である産前産後休業等にかかる子等が死亡等した場合には、(2)の要件を満たせば足りる。
(1) 子の1歳の誕生日の前日(前項に基づく育児休業の場合は、当該育児休業の終了予定日)において、社員または配偶者が育児休業中であること
(2) 保育所に入所を希望しているが、入所できない、または社員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり、1歳以降育児にあたる予定であった者が、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合であること
(3) 子の1歳の誕生日以降に本項に基づく休業をしたことがないこと
5.前項の場合、育児休業を開始しようとする日は、原則として子の1歳の誕生日応当日(第3項に基づく育児休業の場合は、当該育児休業終了予定日の翌日)とする。ただし、配偶者が、子が1歳6ヶ月に達するまでの育児休業を原則の開始日からする場合、配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前の日を開始日とすることができる。
6.次の要件を満たす社員は、1歳6ヶ月から2歳に達するまでの間、必要な日数について、育児休業をすることができる。ただし、産前産後休業、出生時育児休業、介護休業または新たな育児休業が始まったこと等により第1項または第4項に基づく育児休業が終了し、終了事由である産前産後休業等にかかる子等が死亡等した場合には、(2)の要件を満たせば足りる。
(1) 子の1歳6ヶ月の誕生日の前日(前項に基づく育児休業の場合は、当該育児休業の終了予定日)において、社員または配偶者が育児休業中であること
(2) 保育所に入所を希望しているが、入所できない、または社員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり、1歳6ヶ月以降育児にあたる予定であった者が、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合であること
(3) 子の1歳6ヶ月の誕生日以降に本項に基づく休業をしたことがないこと
7.前項の場合、育児休業を開始しようとする日は、原則として子の1歳6ヶ月の誕生日応当日とする。ただし、配偶者が、子が2歳に達するまでの育児休業を原則の開始日から開始する場合には、配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前の日を開始日とすることができる。

第○条 育児休業の手続
1.育児休業をすることを希望する社員は、原則として、育児休業を開始しようとする日の1ヶ月前(前条第4項及び第6項に基づく1歳を超える休業の場合は、2週間前)までに、申し出るものとする。
2.前条第1項の育児休業の申出は、配偶者の死亡等特別の事情がある場合を除き、一子につき2回までとする。
3.前条第4項に基づく休業の申出は、一子につき1回とする。ただし、同条ただし書の場合を除く。

第○条 出生時育児休業
1.育児のために休業することを希望する社員であって、産後休業をしていない社員は、同居及び養育する子の出生日または出産予定日のいずれか遅い方から起算して、8週間を経過する日の翌日までの期間内に、出生時育児休業をすることができる。
2.前項の規定にかかわらず、会社は、労使協定で定める場合には、以下の社員からの申出を拒むことができる。
(1) 入社1年未満の社員
(2) 申出の日から8週間以内に雇用関係が終了することが明らかな社員
(3) 1週間の所定労働日数が2日以下の社員
2.出生時育児休業の期間は、4週間(28日)以内とする。

第○条 出生時育児休業の手続
1.出生時育児休業は、2回まで分割して取得できる。ただし、2回に分割する場合は、1回目の申出時に、2回目の休業開始予定日と休業終了予定日も申し出ることとし、これをしなかった場合、会社は2回目の休業を拒む場合がある。
2.出生時育児休業の申出は、原則として休業開始日の2週間前までに書面で行う。

第○条 出生時育児休業中の就業を可能とする場合
1.労使協定により、定められた社員は、出生時育児休業中、就業することができる。
2.前項の場合、就業を希望する社員は、休業期間のうち、就業可能な日、時間帯その他の労働条件を休業開始予定日の前日までに申し出る。
3.前項の申出の範囲内で、会社が提示した就業の候補日、時間帯その他労働条件につき、休業開始予定日の前日までに当該社員が同意した場合に限り、当該社員は就業することができる。

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なお、本改正については、厚生労働省においても、規定例が公開されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533.html

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※本記事は、2022年9月時点の情報をもとに記載いたしました。


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